美しい夕陽は夏だけのものだろうか?
冬もとてもきれいなのでその答えは出ないが、
この取り巻くような熱気は夏だけだと思う。
シングルフィン。
全ての動きが出来る。
10年ほど前は「シングルフィンは(動きが)重い」と思っていたが、
今では「シングルフィンは速い」と感じている。
操舵性もさることながら、
全てのターンがつながったような長いラインで滑走できるのが魅力なる乗りもの。
ということで、
昨日きちんとブログを書けなかった反省も含めて、
今日はテクニック編としてみます。
題して『実は簡単、長いラインという小技』
テイクオフして、
進行方法のセクションが緩慢で、
しかしながらその斜面には長い距離があったので、
ノーズライドをしようとクロスステップ。
タイラー・ウオーレンに言わせると、
ショートボードでのクロスステップは珍しいそう。
クロスステップした瞬間に斜面が切り立ってきた。
慌てるのは嫌だったので、
ノーズには行かずにクロスステップを保持し、
セクションの行方を注視する。
よく「セクションって何ですか?」
そんな質問を受ける。
「波が切り立ってくる箇所がセクション」
これが広い、つまり長い距離のこともあるし、
逆に短いこともある。
セクションが連続してつながることを
「セクションレス」。
逆にセクションとセクションがつながっておらず、
ロングライディングがむずかしい波を
「セクショナリー(sectionally)」と呼ぶ。
セクションがないときもある。
そんな時は泡に向かって戻り、泡の一番勢いのある箇所で、
セクションが出現するのを待ったりします。
千葉北でよくあるのが、
「沖が浅くて中間地点が深い地形」
これは沖で崩れた波が深い箇所に来ると、
崩波が消失してしまうということになります。
こんなときはセクションは沖にしか存在しないので、
どうしてもショートライディングとなります。
とにかく、斜面を走り抜ける近代サーフィングは、
このセクションが重要となってきます。
さて、波に戻りますと、
セクション最後に反対側からきた泡が迫ってきています。
この泡上部にボードを合わせて、そのまま滑降し、
速度を付けるという基本のターンをすることに。
柔らかい波なので、
あまり波上部にヒットさせても速度上昇どころか失速します。
ここで大事なのはヒット(ボードを乗せる)ポイントです。
解説しやすいように上と同じ画像にヒットポイントを色分けしてみました。
まず青い線。
これは実際の波というか、自分が乗ってきた波の延長です。
この波と向こう側から来た泡波がここで合わさっているのです。
で次は向こう側の泡波の状況。
つい手前の黄色を見てしまいますが、
これは切り立たないで、
他の泡と混ざるだけで波のパワーを産み出しません。
オレンジ、これは黄色よりはましだが、
その向こうにあるレッド位置ならば、
確実に自分の乗ってきた波(青線)と重なって、
さらには波のブレイクパワーがまたここから始まる。
つまりセカンドセクションのオヤブンがここでありましょう。
そこで、自身の速度と、
前出したように速いシングルフィンの特徴を活かして、
黄色からオレンジの点を踏み、
赤オヤブンまで到達させようとフローターとしました。
さらに言うと、
この弱いセクションでレイルを切り返すときっと失速してしまうので、
この滑走感覚を継続させたかった気分でのフローター選択。
ハイ、赤にヒット。
ここでの気分は、「黒ネコのタンゴ」だった。
ヒットさせた後は、
加速するので、その次を見すえる。
次のセクションが出現した。
自称最高速。
ただ、もう岸近くなって深い箇所なので、
これ以上乗っていくことができない予感を持った。
こういうときは深いボトムターンで、
セクションが切り立つまでの時間を稼ぐ。
うーん。
やはり乗っていけそうなセクションにはならなさそうだ。
こういう場合は斜面に出ても失速するので、
泡を有効利用しましょう。
泡の下に合わせるようにレイルを切り返し、
それでもう一度待ちます。
これはどうやら何秒かだけは乗っていくことはできる斜面ですが、
もう消えるだけだろう。
キックアウト(プルアウト)を選択し、
速度を利用して、
波裏側の斜面もしっかりと滑って、
パドルの姿勢となるまで気を抜かないこと。
どんなものでもそうだが、「終わり」はとっても大切。
私はこのキックアウトにとても気を使っています。
長いライン、切り返しを少なくする小技。
これによって、柔らかい波でも高速感覚を養え、
それはいつかやってくる大波、つまり大技への布石にもなるのです。
1本1本、しっかりと、そして集中して乗ってみましょう。
それではすばらしい週末となりますように!
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