この週末は友人宅を訪ねて、
ロスアンジェルスで過ごすこととなった。
閑静な住宅地を離れ、
405フリーウエイに入り、そして101。
フリーウエイをマリブ・キャニオン・ロードで下車し、
ケーナン・ロードを抜け、
さらに他の渓谷を縫い、
ずっと走ると青い海が見えてきた。
スケールが違うが、
これは私にとって南伊豆そのもので、
反射的に温泉に入りたくなったのは言うまでもない。
さらに湾曲した道を下って海に出た。
サンクレメンテからここまでの走行距離がちょうど200kmとなった。
(Gooマップで調べてみると、東京中心から南伊豆までの距離が偶然200kmだった)
岬に次ぐ岬。
しかも南向きの海岸には、南うねりが入っている。
弱いオフショア、潮位も完璧。
サーファーにとっては胸の高鳴りがおさえられないドライブとなった。
ひとつめの岬に到着した。
そこはこんなパーフェクションで、
しかもここは『ステート・ビーチパーク(州立海岸公園)』。
サンオノフレと同様にトイレ、シャワー、
ライフガード完備のパブリックなサーフブレイクである。
それは美しい波がブレイクしていた。
とっておきのNATION6’11″シングルフィンをこの長い斜面に滑らせて、
フリーシェイプの自由さをこの美波で表現できたセッションとなった。
沖には岬の延伸からの大岩が突き出ていて、この岩の中央に向かって波はピークする。
岩の横から波に乗るのだが、普段とは全く違うテイクオフとなった。
まずピークを見極める。
それはつまり岩のすぐ横なのか、または岩から離れていくのか。
適正位置に動いていき、スープからテイクオフして波の上に入る。
波は崩れてしまったので、一度小さくなる。
少しすると、突然ショルダーが延伸し、そして波が倍程度に大きくなる。
このように増大する波を「Grow(グロウ)」と呼ぶ。
奄美大島のプレジテント岬(緑くんは最初オバマ岬と呼んでいた)、
インドネシアのニアスが同様にグロウする波質である。
テントの横でセカンドセクションをフルスロットルで滑っているのは、
この美しい波に連れてきてくれた聖(きよし)さん。
ロスアンジェルス歴23年のグレイトサーファーであります。
ノースハワイにも来てくれました。
https://www.nakisurf.com/blog/naki/archives/17061
インサイドに見えるが、ここはセカンドセクション。
[この波]
↑ダラダラな広い斜面が続くファーストセクション。
セカンドセクションで切り立ってきた壁が拡がる。
壁に張りつき、
高速ターンができたらこのセクションを抜けることができる。
セカンド終盤。
そのままセクションレスでサードまで続いていくパーフェクション。
サードセクションになると、
湾曲した湾に沿って波が整列してくる。
そのまま波は続く。
もう誰も乗っていないが、波はまだ続く。
まだまだ続いていく。
さらにさらに。
まだ波壁が続く。
最終的にフォース(第4)セクションを越えると、
遠くに見える水色のライフガードタワー前まで行け、
その距離を航空地図で計ってみたらちょうど200mだった。
かなりの長い波であります。
帰路、
PCH(パシフィック・コーストハイウエイ)で木彫りペリカンを発見し、
この911タルガの後を走るように住宅地に戻ってきた。
すばらしい日帰りサーフトリップでありました。
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私は『エルマーのぼうけん(My Father’s Dragon)』を読んで育った。
何度も何度も、ずっと読んでいた物語。
偶然キヨシさん家でこのオーディオブックの表紙を見ると、
それは「エルマーと16ぴきのりゅう」の絵で、
そこから走馬燈のようにあの頃の記憶が戻ってきた。
荒塩を付けて食べた蒸とうもろこしの味、
お砂糖が入った麦茶、ジャガイモ畑の畦(あぜ)、
ラジオ体操、市営プール、みたらし団子、仮面ライダー。
そんな色々を思い出すに至り、
またこのすてきな物語を最初から読んでみたくなった。
一年中読んでいたはずだけど、
夏の記憶ばかりなので最初に読んだのが夏だったのか。
またはエルマーの舞台が夏っぽくて、
自分の夏の思い出に重ねて刷り込まれているのだろうか。
ありがとう、エルマー。
ありがとう、遠き夏の日。
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