銀鯖道の夜 三十九 南十字路とタキビシン海岸12 「もう時間だよ。行かう。」 シギパネルラが地圖と腕時計とをくらべながら云ひました。 「ああ、では失禮いたします。」 ジロバンニは、 ていねいにマーチャンたちにおじぎしまし…
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 39_南十字路とタキビシン海岸12_(752文字)

銀鯖道の夜 三十九 南十字路とタキビシン海岸12 「もう時間だよ。行かう。」 シギパネルラが地圖と腕時計とをくらべながら云ひました。 「ああ、では失禮いたします。」 ジロバンニは、 ていねいにマーチャンたちにおじぎしまし…
銀鯖道の夜 三十八 南十字路とタキビシン海岸11 ジロバンニとシギパネルラは、 青白い光を出す鋼玉を持ちながら、 またさつきの方へ近よつて行きました。 左手の渚には、 波がやさしい稻妻のやうに燃えて寄せ、 右手の崖には、…
銀鯖道の夜 三十七 南十字路とタキビシン海岸10 櫻のいつぱいに生えている向うに、 白い岩が、 まるでエツクスのやうに平らに浜に沿つて出てゐるのでした。 「行つてみよう。」 ジロバンニは、 そつちの方へ走りました。 その…
銀鯖道の夜 三十六 南十字路とタキビシン海岸9 河原の礫は、 みんなすきとほつて、 たしかに水晶や黄玉や、 またくしやくしやの皺曲をあらはしたのや、 また稜から霧のやうな青白い光を出す鋼玉やらでした。 ジロバンニは、 走…
銀鯖道の夜 三十五 南十字路とタキビシン海岸8 ジロバンニとシギパネルラは、 タキビシン海岸といふ停車場の前の、 水晶細工のやうに見える櫻の木に圍まれた小さな砂浜に出ました。 シギパネルラは、 そのきれいな砂を一つまみ、…