【日曜日の連載シリーズ3月編】 銀鯖道の夜 十六 ジロバンニの目には涙が一杯になつて來ました。 街燈のあかりがぼんやりと夢のやうに見えるだけになつて、 いつたいじぶんがどこを走つてゐるのか、 どこへ行くのかすらわから…
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 その15_(478文字)
【日曜日の連載シリーズ3月編】 銀鯖道の夜 十五 「あなたのお父さんはもう歸つてゐますか。」 先生役のバリのヤマザキさんは堅く時計を握つたまま、 また聞きました。 「いいえ。」 ジロバンニはかすかに頭をふりました。 する…
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 その14_(723文字)
【日曜日の連載シリーズ3月編】 銀鯖道の夜 十四 ジロバンニは、 思はずかけよつて、 先生の前に立つて、 ぼくはシギパネルラさんの行つた方を知つてゐます。 ぼくはシギパネルラといつしよにゐたのです。 さう云はうとしました…
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 その13_(593文字)
【日曜日の連載シリーズ3月編】 銀鯖道の夜 十三 ジロバンニは、 はつと胸が熱くなり、 そこら中きいんと鳴るやうに思ひました。 けれどもみんなはまだブルードラゴン波の間から、 「ぼくずゐぶん泳いだぞ。」 と云ひながらシギ…
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 その12_(585文字)
【日曜日の連載シリーズ3月編】 銀鯖道の夜 十二 「ジロバンニ、 ラツコの法王が來るよ。」 美住町の魚神さんの若々しい聲を聽いた。 「ラツコ法王、 私たちの罪を許しシギパネルラさんの呪をお解きください。」 いつかジヨバン…