【日曜日の連載シリーズ2月編】 銀鯖道の夜 九 ジロバンニは丘から飛ぶやうに下の廣い砂浜へおりました。 砂浜にぼうつと見える小さな川があつて、 ヨオドの水が流れてゐました。 ジロバンニはちよつとの間、 ここでとまつて、 …
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 その9_(676文字)

【日曜日の連載シリーズ2月編】 銀鯖道の夜 九 ジロバンニは丘から飛ぶやうに下の廣い砂浜へおりました。 砂浜にぼうつと見える小さな川があつて、 ヨオドの水が流れてゐました。 ジロバンニはちよつとの間、 ここでとまつて、 …
【日曜日の連載シリーズ2月編】 銀鯖道の夜 八 そして夢であるいた天の川もやつぱりさつきの通りに白くぼんやりかかり、 まつ黒な東の水平線の上では殊にけむつたやうになつて、 その右には太東岬にある橙光がうつくしくきらめき、…
【日曜日の連載シリーズ】 銀鯖道の夜 七 ジロバンニは眼をひらきました。 タマサキの丘の上でねむつてゐたのでした。 胸は何だかをかしく熱り、 頬にはつめたい涙がながれてゐました。 テイクオフのやうにはね起きました。 あた…
【日曜日の連載シリーズ】 銀鯖道の夜 六 やつて來た青いろの車の中は、 明るくネオン燈がついて、 いろいろな寶石が波のやうな色をした厚い硝子の盤に載つて、 星のやうにゆつくりめぐつたり、 まはつて來たりするのでした。 そ…
【日曜日の連載シリーズ】 銀鯖道の夜 五 ジロバンニはぢつとタマサキを見ながら考へました。 (ぼくはもう、 サーフしてしまひたいといふ氣持がするのでした。 陸からはなれて、 波壁へ、 どこまでもどこまでも飛ぶやうに滑つて…