銀鯖道の夜 四拾壱 南十字路とタキビシン海岸14 二人は、 その白い岩の上を、 一生けん命走りました。 そしてほんたうに、 風のやうに走れたのです。 息も切れず膝もあつくなりませんでした。 こんなにしてかけられるのなら、…
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 41_南十字路とタキビシン海岸14_(554文字)

銀鯖道の夜 四拾壱 南十字路とタキビシン海岸14 二人は、 その白い岩の上を、 一生けん命走りました。 そしてほんたうに、 風のやうに走れたのです。 息も切れず膝もあつくなりませんでした。 こんなにしてかけられるのなら、…
銀鯖道の夜 四拾 南十字路とタキビシン海岸13 タキビシン海岸のはてのもつと向うからか、 龍の形のぼんやりした狼煙のやうなものが、 きれいな桔梗いろのそらにうちあげられるのでした。 じつにそのすきとほつた綺麗な風は、 苹…
銀鯖道の夜 三十九 南十字路とタキビシン海岸12 「もう時間だよ。行かう。」 シギパネルラが地圖と腕時計とをくらべながら云ひました。 「ああ、では失禮いたします。」 ジロバンニは、 ていねいにマーチャンたちにおじぎしまし…
銀鯖道の夜 三十八 南十字路とタキビシン海岸11 ジロバンニとシギパネルラは、 青白い光を出す鋼玉を持ちながら、 またさつきの方へ近よつて行きました。 左手の渚には、 波がやさしい稻妻のやうに燃えて寄せ、 右手の崖には、…
銀鯖道の夜 三十七 南十字路とタキビシン海岸10 櫻のいつぱいに生えている向うに、 白い岩が、 まるでエツクスのやうに平らに浜に沿つて出てゐるのでした。 「行つてみよう。」 ジロバンニは、 そつちの方へ走りました。 その…