「朝、クリスチャン・ワックのガンをシェイプします」
ライアン・イングルからテキストがあった。
7’2″のフリーシェイプのガン。
これはクリスチャンが、
パスクアリ(メキシコ)用にオーダーしてきたのですが、
結局行かなくなって、
いらなくなってしまったようなのです。
パスクアリ波は、
ブルースの動画で紹介します。
最近は大注目されているバレル専門のブレイク。
ライアンは、
このガンシェイプのイメージをずっと持っていたので、
どうしても削りたくなって夜明けからずっとシェイプしていたという。
そしてその想いを乗せて完璧に仕上がったのです。
「これは誰のものになるのですか?」と聞くと、
「わかりません。
けれど、私の人生のベストなシェイプになったのは間違いありません」
という7’2″ガン。
俺はどんなに大波になってもガンを使うタイプのサーファーでないので、
「欲しい」という言葉を何度も呑み込んでいた。
サーフボード好きなので、
このボードの美しさはよくわかる。
こんなボードで大きい波をサーフしたらどんな感覚なのだろうか。
そんな余韻を残しながら、
後ろ髪を引かれながらシェイプルームを後にした。
https://www.nakisurf.com/blog/naki/archives/47028
デイブ・ネイラーのグラッシングルーム。
今日はNATIONを巻く日です。
俺のゴールドフィッシュをチェックしに行くと、
昨日の公約通りフィンが立っていた。
仕上がりもこの通り。
これからホットコートに進みます。
来週には仕上がりますね。
ホットコートのウエイティングルームに行くと、
ライアンがNATIONアジャスターを検品していた。
https://www.nakisurf.com/brand/nation/detail-adjuster.html
サイドフィンを付けたカスタム。
これは安定性を増す良いアイディアだと思う。
オーダーされた方は頭が柔軟なんですね。
シングルフィンのボリュームのあるテイルエリアを沈めやすくした
「コンコルドテイル」。
ちょうど今月号のサーフィンライフでも見開きで特集されていました。
こんなシングルフィンがあるのです。
さすがライアン・イングル。
□
これはクリップチップ。
クリスチャンが乗っていたのが、
スワロウならこちらはラウンドスクアッシュ。
ターンの切り返しにパンチが出るシェイプです。
これはモデル名が未定ですが、
リバースVEEの『高速ラウンドボード』。
カラフルなロゴ。
そしてこちらはラルフローレン社から、
ストアディスプレイ用として、
「1950年代風の仕上げとシェイプで」
とオーダーされた美しきクラシック。
テイルブロックが味を利かせています。
1980年代のレプリカ風の2013年のシェイプ
『リック・ケイン・プロモデル』
日本では反応が悪いのですが、
こちらはネイト・バンダガスト
(キャッチサーフライダー)たちのお気に入りなんです。
ボランクロスのクロス(X)ニーパッチ。
フィンパッチもデイブ・ティントがアクセントなのですね。
□
時間が前後するのですが、
ライアン工場に行く前にピアでクイックサーフ。
ライフガード発表の波情報。
やはり水温は18度。
今日の釧路と同じ。
冷たいサンクレメンテなんです。
なぜピアなのかと言いますと、
“The Diablo Whale Tail”ことNS1が完成して、
どうしてもどこかでサーフしたかったのです。
しかしうねりは小さく、
干潮ということを加味してここを選びました。
NS1の特徴は幅広テイルと、
トーション2というしなる素材のコンビネーション。
前回はカーボンストラップを入れたのだが、
波にパワーが出ないと、
その剛性とメモリーフレックスを発揮できなかったのです。
このDクロスの巻きなら小波でもその柔らかさを感じられるはず。
フィンはPROSフィンの旧カラーのクアッドを選択した。
https://www.nakisurfshop.com/SHOP/7477.html
波サイズは、セットで膝だけど、
真上から撮れのがるピアの利点。
まずはヤスのライディング。
幅広テイルということは、
小波でもテイクオフが速いということなんです。
柔らかくて、
速い滑りにうれしくなったヤスは、
膝波バレル風を決めた。
さらには、
バジー・カーボックス@サンセットビーチのようなグライドを見せ、
この大マンライポーズで上がってきた。
いいね!
予定の20分をハッピーに終えました。
俺の番。
やはり柔らかさがクッションになるようで、
幅広テイルをこうして平面で沈ませるのは難しいのだが、
こうして押しつけて加速していく小波での愉楽。
さらには内側に食い込ませるようなターンができ、
ここまで小さく、
緩い斜面でも激しい切り返しとなった。
スープの中でも前に出ようとする特性まであって、
それはまるで生きもののようだった。
素材が変わると、乗り味が変わるのがサーフボードだけど、
それに加えてシェイプデザインを誕生させるのが、
フルタイム・シェイパーであるライアンの真骨頂だと感じた。
https://www.nakisurf.com/blog/naki/archives/46835
初めてこのボードを見たあの日から、
今日このピア波でサーフする自分を想像すらできなかった。
ボードは出会いだと思いますが、
こうして世代の違うヤスとハッピーサーフできたことに感謝します。
今日のこちらは911(ナインイレブン)。
あれからずいぶんの時が経ちます。
日本の復旧も東京オリンピックと共に進みますように。
みなさんがハッピーでいられますように。
俺は自分の仕事であるすばらしいサーフボードのプロデュースや、
こころに残るような作品創りを続けていきます。
これからもよろしくお願いします。
いつも来てくださってありがとうございます。
それではまた明日ここで!
■