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naki's blog

私の波乗りの歴史_第10編_凱旋帰国_(2447文字)

第9編まで書きました。

ハワイから帰ってきたボクは、

8か月後に控えるシーズンに向けて、

野菜市場での肉体労働的な高給バイトに明け暮れていた。

ハワイに行ったおかげで波乗りのスタイルが変わり、

例えば大きな波に巻かれたときは、

より長く海中にいるようにしたり、

パイプラインやロッキーポイントの波感覚を持ちながらサーフしていた。

私の波乗りの歴史_第8、9編_トム・カレンさまのラニアケア_(1777文字)

 

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凱旋

午後の波乗りの合間は、

お世話になったスポンサーにご挨拶周りをした。

持っていったのは、パイプラインに乗った自分の写真。

その写真には、

ウエットスーツ、サーフボードロゴが見え、

ノーズガード、リーシュと、

支給されているものは全て写真に写っていた。

今回のサーフボード4本を作っていただいたブルーワー・ナガヌマ工場の休憩室に行くと、

昼食後でほぼ全員の職人さんと、シェイパーたちが揃っていた。

じつはこの”ナガヌマ”の休憩室で、

「マンライ」なる流行語が誕生したのだが、それはあまり知られていない。

後の社長となる名職人Wさんがベルボトムのジーンズを履いていて、

サンディングをするSさんと、

サーフボードアートをするKSさん、

シェイパーの抱井さん、オガマさんたちが市場食堂から帰ってきて、

お茶を飲みながらめいめいのサーフ雑誌を開いていた。

ちょうどそこに主宰の長沼さんがやってきた。

「お、フナキ。良く焼けているな」

「こいつハワイ帰りっすから」

KSさんが、長沼さんの言葉に私の代弁をしてくれた。

「4か月も行ってたのか、どの波が一番好きだった?」

ハワイの伝説的なサーフボード、ディック・ブルーワーを扱う会社だけあって、

長沼さんは詳しかった。

「はい、ロッキーポイントのライト、

あ、あとラニアケアで大きくてまん丸のチューブにも入りました」

「ラニーズはいいよな。タウニー用(街サーファーのこと)のブレイクだと、

ちょっぴりバカにされているけど、うねりの向きが合うとすごい波が立つだろう」

「はい、やばかったです。あ、そこでトムカレンを見ました」

「パイプラインに乗ったって、シモジュウから聞いたぞ」

「はい、写真を撮ってもらいました」

そう言って、

スライドからの転写カラーコピーを誇らしくみなさんにお見せすると、

「ボトムターンじゃだめだ、チューブに入ったのかよ」

「これはパイプじゃなくてエフカイじゃないのか」

「腰が引けちゃってるぞ」

「チューブに入らないとパイプラインじゃないだろ」

そんな風に稲村ヶ崎の大波にも乗る職人さんたちは、

「あの1本のうれしさ、重み」

を知らないからこそ、

この渾身の写真を見て、忌憚のない意見、感想を口々に言うのだった。

手ぬぐいを頭に巻いた抱井さんだけは微笑を絶やさずにこの状況を見ていた。

意見が出終わると、

無言だった長沼さんが口を開いた。

「ちょっと待とうぜ。みんなそう勝手なことを言うけど、

12月のパイプラインの、このサイズでパドルアウトして乗ることができるのか?」

長沼さんがそう言うと、職人さんたちが無言になった。

さらにこう続けた。

「フナキは初めてハワイに行って、パイプラインのすばらしい波に乗って写真を残して帰ってきた。

しかもサーフィン歴4年だぜ。そういうところを見てあげないといけないんじゃないかな」

ハワイでさまざまな困難や試練、

修行を経験してきたボクは、

その言葉を受けて涙が溢れそうになっていた。

「編集ページで使わないようだったら、ウチの広告でこれを使おうぜ」

そんなうれしいことになった。

で、本当にボクの広告がサーフィンライフの6月号に出稿されることとなり、

そのデザインが始まった。

最初の案はこんな感じだった。

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ボクはこの誇らしいラフデザインを常に持ち歩き、

近しい人には見せてジマンしながらその5月10日の発売日を心待ちにしていた。

発売日は開店前の文教堂で、

サーフィンライフが入っている本の束を見つけ、

開店直後の店員さんにそれを指し示し、

その中から2冊購入し、家に帰ってきてからその広告を探した。

あったあった!

でも、それを見てあれ?となった。

ad_2

実際に雑誌に入った広告は、

波の上がカットされていて、

なんだか波の高さが小さく見えたので不満といえば不満だったが、

それよりもうれしさの方が大きかった。

で、後でこのトリミングの理由の噂が聞こえてきたのが、

「新人がいきなりパイプラインであの波に乗るのは憎まれる原因だからこうなった」

「フナキはパイプラインでいつもサーフしていたわけじゃないから、フルサイズでは掲載できない」

どうやら日本のサーフィン業界というのはねじれていて、

そんなことを考えながらサーフィンワールドに連載されていた空志海児さんのコラムを読むと、

やはりそんなようなことが書いてあった。

で、もしかすると空志海児さん=抱井さんなのでは?

そう思い、ご本人に聞いてみると、

「そう思うかい。ふふふ」

工場の控え室にあったトム・カレンだけが写ったVHSビデオを見ながらとぼけていたので、

これはほぼ抱井さんに違いない、そんな確信を得た。

とにもかくも、初ハワイ編はこれで決着したのだった。

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11に続きます。

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回想編ばかりで、

こちらのことを何も書けていないのでありました。

これは先日、

ソニックブームをトロ厚フォードアーズのレフトに出航し、

全てトップターンとボトムターンだけで乗った連続写真を得た。

「ハイライン」は速度を得るためのもので、

NATIONのボードはさすがサイエンスを究め、

速度が出ながらも操作性が高いということが再確認できた。

長いシークエンスですが、お時間があればご覧になってください。

それでは、

すばらしい週末をお迎えください。

桜はまだ咲いていますか?

Have a wonderful spring day!!

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