Malibu Beach, Summer of 2015
アメリカの本日上位検索ワード。
政治関係では、
大統領予備選挙を控えてドナルド・トランプがメディアを賑わせているが、
その元妻が検索されていたりとなかなか興味深い世論である。
マリブからサンクレメンテ周辺に戻ると、
NATION工場では、
ライアンが鬼神のごとく集中してボードシェイプをしていた。
私も今週末Kさん用のボードをシェイプするので、
ライアンに習いながら手順のおさらいをしたのは言うまでもない。
ラミネート(グラッシング)ルームでは、
デイブ・ネイラーが新しくなった床に段ボール箱を重ねていた。
これにはどんな意味があるのかを聞くと、
「レジンカラー(ティント)のときに黒い床だと、
(暗く見えて)本当の色がわからなくなるから」
床の色までこだわって、大変な作業を仕事前にする。
さすが世界トップレベルの職人であります。
フィン職人のフリオ。
今日はフィンボックス周りのフィンパッチ・デイ。
一枚一枚フィンカップの大きさ大にガラスクロスを切り、
フィンプラグにレジンが入らないようにシールをし、
それは気の遠くなるような作業をずっと続けていた。
今週のライアン・イングルの仕事。
SDSが多く見えるのと、
「めちゃくちゃ速い」と大評判のソニックブームも3本。
トータル・バランスの完成度で、
今もベストセラーのロスドス。
これはカラーをテイルに入れたバージョン。
これからホットコートしてからサンディング工程に。
(グロス&ポリッシュ・フィニッシュの指示だったかも)
ライアンに拝見させていただいたロスドス・ラウンドノーズ。
こういうボードの楽しさといったら、5000字程度では語り尽くせない。
6’10″シングルフィンに乗るブライアン・ミラー。
彼もミッドレングスを愛し、
今日も燃えるような波に張りついている。
突然こんな歌詞を得た。
『ミッドレングスラバー(Midlength Lover)』
1.
魂をゆさぶる波の連なり
泡もバレルもくぐりぬけ
波への高鳴る思い
(*)
恋しい
憎い
欲しい
いつも逢いたい
いつも乗りたい
(*)繰り返し
「こんにちは、NAKIさん!
僕は埼玉県から毎週千葉や茨城に通う自称本気サーファーです。(笑)
今日は今週末に感動したことがあって、勝手にメールをさせていただきました。
突然なのですが僕は今までロングやミッドレングスというのは、
御年を召してしまって、
きちんとパドリングが出来ない人が乗るものだと思っていました」
.
こんな書き出しで始まるお手紙をいただいた。
.
「けれど、先日友人が持っている7フィートのシングルフィンを借りて乗り、
あまりにも楽しく、今までの考え方を180度改めることにしました。
その日は誰も入っていない白子海岸の腰くらいの波でした。
友人がシングルフィンで、僕がショートボード。
でも彼は最近始めたばかりなのに僕よりも波に乗っていたので、
そのシングルフィンに乗りたくなり、3本だけという約束でボードを交換すると、
パドリングは速いし、波に乗る推進力があって、
乗り始めてから進むスピード感覚がショートボードとは別ものでした。
タルイ波も止まることなく進んでいけて、
沖からまさかの波打ち際まで乗ることができて、人生で最長のロングライドを決めました。
NAKIさんたちの言うところのマンライです。
もう1本、そしてもう1本と乗っていったのですが、
どうしょうもないほど楽しくなってしまい、
これこそがサーフィンだと確信するに至ったんです。
今までどうしてこういうボードに乗らなかったんだろう?
ショートだと、立った途端に波が崩れてきてすぐにライディングが終わっていました。
またはロングライドしようとしてもスピードが無くなるとボードが沈んでしまうので、
波が大きいときはスープに弾き飛ばされてしまうので、
今までしたことはありませんでした。
今日はミッドレングスに乗ったことがなかった、というだけでずいぶんと損していた気がします。
ロングとかは、かまわず波に乗りまくる人が多いので嫌っていました。
けど、タイラー・ウオーレンさんの映画を見て、
大きなボードにもきちんと乗れたほうがサーファーとしてかっこいい、
と思って決心していた矢先のことでした。
とりとめもない内容になって、そしてかなり長くなってしまったのですが、
以前からNAKISURFさんやNAKIさんがミッドレングスを勧めていたので、
ここに決心してご連絡することにしました。(後略)」
波が小さな日に大きなボードに乗ってみてください。
ロングやログでなくてもミッドレングスでも、
または友人やレンタルの大きめボードでかまいません。
人生が変わるほどの衝撃を受けるはずです。
日本はどうしたことか、
それぞれのサーファーの適正浮力が、
50%程度しかないとすら思えてしまうほどのサーフボードの薄さと大きさです。
グッドサーファーだと思っていても、
少しでも肉厚のボードに乗ると、途端にコントロールできなくなってしまう人もいました。
波に乗るためには浮力が必要です。
浮力があれば誰も乗っていないインサイド波も乗ることができ、
混雑を避けてマンライ(満足ライディング)連発できてしまうのですよ。
夏なので、初心者の人がショートボードで波乗りを始めると、
第一段階程度になるまできっと20時間くらいかかるでしょう。
これが大きめのログで波(泡)が膝程度あれば、15分もあれば立って乗れるのです。
中級者や上級者もぜひ大きめなボードに乗ってみる夏としてみてください。
お手紙をくれた人のようにサーフィングの概念が変わるはずですよ。
では!
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