【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 58_ジロバンニの切符5_(584文字)
銀鯖道の夜 ジロバンニの切符5 「これは三次空間の方からお持ちになつたのですか。」 車掌がたづねました。 「何だかわかりません。」 もう大丈夫だと安心しながらジロバンニは、 そつちを見あげてくつくつ笑ひました。 「よろし […]
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銀鯖道の夜 ジロバンニの切符5 「これは三次空間の方からお持ちになつたのですか。」 車掌がたづねました。 「何だかわかりません。」 もう大丈夫だと安心しながらジロバンニは、 そつちを見あげてくつくつ笑ひました。 「よろし […]
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銀鯖道の夜 ジロバンニの切符4 車掌はちよつと見て、 すぐ眼をそらして (あなた方のは?) といふやうに、 指をうごかしながら、 手をジロバンニたちの方へ出しました。 「さあ。」 ジロバンニは困つて、 もぢもぢしてゐまし
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 57_ジロバンニの切符4_(560文字) 続きを読む »
銀鯖道の夜 ジロバンニの切符3 「あれは、 波の高さをはかる器械です。」 ラツコ捕りが云ひかけたとき、 「切符を拜見いたします。」 帽子をかぶつたもうひとりのラツコ捕りが、 いつか三人の席の横に、 まつすぐに立つてゐて云
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 56_ジロバンニの切符3_(628文字) 続きを読む »
銀鯖道の夜 ジロバンニの切符2 青寶玉と黄玉の大きな二つのすきとほつた球は浪となり、 それがまただんだん横へ外れて、 向うへめぐり、 黄いろのはこつちへ進み、 青い小さいのが重なり合つて、 緑の中心と黄いろな明るい環がで
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 55_ジロバンニの切符2_(309文字) 続きを読む »
銀鯖道の夜 ジロバンニの切符 「もうここらは中原區のおしまひです。 ごらんなさい。 あれが名高いタマサキ神社です。」 窓の外の、 まるで花火でいつぱいのやうな、 あまの川のまん中に、 黒い建物が立つて、 その屋根の上に、
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 54_ジロバンニの切符_(517文字) 続きを読む »
銀鯖道の夜 ラッコを捕る人 11 ラツコ捕りは二十疋ばかり、 袋に入れてしまふと、 急に兩手をさげて、 模型の人形のやうな形をしました。 と思つたら、 もうそこにラツコ捕りの形はなくなつて、 却つて、 「ああせいせいした
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 53_ラッコを捕る人11_(763文字) 続きを読む »
銀鯖道の夜 ラッコを捕る人 10 ラツコは螢のやうに、 袋の中でしばらく、 青くぺかぺか光つたり消えたりしてゐましたが、 おしまひにはとうとう、 みんなぼんやり白くなつて、 眼をつぶるのでした。 ところが、 つかまへられ
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 52_ラッコを捕る人10_(791文字) 続きを読む »
銀鯖道の夜 ラッコを捕る人 9 「ずゐぶん奇體だねえ。 きつとまたラツコをつかまへるとこだねえ。」 と云つた途端、 がらんとした桔梗いろの海から、 さつき見たやうなチヨコレートが、 みんなすきとほつて、 まるで風に飛ぶや
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 51_ラッコを捕る人9_(441文字) 続きを読む »
銀鯖道の夜 ラッコを捕る人 8 黒いろの外套姿の人はにやにや笑つて、 少し伸びあがるやうにしながら、 窓の外をのぞきました。 すると見えなくなつてゐたラツコ捕りが、 青じろの、 うつくしい燐光を出す、 夜光虫の上に立つて
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 50_ラッコを捕る人8_(577文字) 続きを読む »
銀鯖道の夜 ラッコを捕る人 7 なあに、 みんなまつ黒にかたまつているのですから仕方ありませんや、 わたしあ、 べらぼうめ、 そんな苦情はおれのとこへ持つて來たつて仕方がねえや、 おめえらの大將へやれつて、 斯う云つてや
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 49_ラッコを捕る人7_(461文字) 続きを読む »
銀鯖道の夜 ラッコを捕る人 6 「も少しおあがりなさい。」 ラツコ捕りがまた包みを出しました。 ジロバンニは、 もつとたべたかつたのですけれども、 「ええ、ありがたう。」 と云つて遠慮しましたら、 「一昨日のころなんか、
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 48_ラッコを捕る人 6_(366文字) 続きを読む »
銀鯖道の夜 ラッコを捕る人 5 二人は眼を擧げ、 耳をすましました。 ごとごと鳴るキヤラバンのひびきと、 南風との間から、 ころんころんと水の湧くやうな音が聞えて來るのでした。 「ラツコ、どうしてとるんですか。」 シギパ
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 47_ラッコを捕る人 5_(576文字) 続きを読む »
銀鯖道の夜 ラッコを捕る人 4 「ラツコはたくさんゐますか。」 「居ますとも、 さつきから鳴いてまさあ。 聞かなかつたのですか。」 「いいえ。」 「いまでも聞えるぢやありませんか。 そら、 耳をすまして聽いてごらんなさい
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 46_ラッコを捕る人 4_(689文字) 続きを読む »
銀鯖道の夜 ラッコを捕る人 3 . 橙の二輪車服の人が、 少しおづおづしながら二人に訊きました。 「あなた方は、どちらへいらつしやるんですか。」 「どこまでも行くんです。」 ジロバンニは、 少しきまり惡さうに答へました。
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 45_ラッコを捕る人 3_(615文字) 続きを読む »
銀鯖道の夜 ラッコを捕る人 2 キヤラバンはもう、 しづかにうごいてゐたのです。 シギパネルラは、 車の天井を、 あちこち見てゐました。 その一つのあかりに黒い甲蟲がとまつて、 その影が大きく天井にうつつてゐたのです。
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 44_ラッコを捕る人 2_(531文字) 続きを読む »
銀鯖道の夜 四拾参 ラッコを捕る人 1 「今晩は。」 親切さうな大人の聲が、 二人のうしろで聞えました。 橙の二輪車が描かれた服を着て、 白い布でつつんだ荷物を、 二つに分けて肩にかけた人でした。 ジロバンニは、 なにか
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 43_ラッコを捕る人_(506文字) 続きを読む »
銀鯖道の夜 四拾弐 南十字路とタキビシン海岸15 シギパネルラは、 窓から外をのぞきながら、 勢よく云ひました。 「ああしまつた。 ぼく、 コスモスを忘れてきた。 COJI-COJIも忘れてきた。 けれど構はない。 もう
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 42_南十字路とタキビシン海岸15_(446文字) 続きを読む »
銀鯖道の夜 四拾壱 南十字路とタキビシン海岸14 二人は、 その白い岩の上を、 一生けん命走りました。 そしてほんたうに、 風のやうに走れたのです。 息も切れず膝もあつくなりませんでした。 こんなにしてかけられるのなら、
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 41_南十字路とタキビシン海岸14_(554文字) 続きを読む »