【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 48_ラッコを捕る人 6_(366文字)
銀鯖道の夜 ラッコを捕る人 6 「も少しおあがりなさい。」 ラツコ捕りがまた包みを出しました。 ジロバンニは、 もつとたべたかつたのですけれども、 「ええ、ありがたう。」 と云つて遠慮しましたら、 「一昨日のころなんか、 […]
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銀鯖道の夜 ラッコを捕る人 6 「も少しおあがりなさい。」 ラツコ捕りがまた包みを出しました。 ジロバンニは、 もつとたべたかつたのですけれども、 「ええ、ありがたう。」 と云つて遠慮しましたら、 「一昨日のころなんか、 […]
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銀鯖道の夜 ラッコを捕る人 5 二人は眼を擧げ、 耳をすましました。 ごとごと鳴るキヤラバンのひびきと、 南風との間から、 ころんころんと水の湧くやうな音が聞えて來るのでした。 「ラツコ、どうしてとるんですか。」 シギパ
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 47_ラッコを捕る人 5_(576文字) 続きを読む »
銀鯖道の夜 ラッコを捕る人 4 「ラツコはたくさんゐますか。」 「居ますとも、 さつきから鳴いてまさあ。 聞かなかつたのですか。」 「いいえ。」 「いまでも聞えるぢやありませんか。 そら、 耳をすまして聽いてごらんなさい
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 46_ラッコを捕る人 4_(689文字) 続きを読む »
銀鯖道の夜 ラッコを捕る人 3 . 橙の二輪車服の人が、 少しおづおづしながら二人に訊きました。 「あなた方は、どちらへいらつしやるんですか。」 「どこまでも行くんです。」 ジロバンニは、 少しきまり惡さうに答へました。
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 45_ラッコを捕る人 3_(615文字) 続きを読む »
銀鯖道の夜 ラッコを捕る人 2 キヤラバンはもう、 しづかにうごいてゐたのです。 シギパネルラは、 車の天井を、 あちこち見てゐました。 その一つのあかりに黒い甲蟲がとまつて、 その影が大きく天井にうつつてゐたのです。
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 44_ラッコを捕る人 2_(531文字) 続きを読む »
銀鯖道の夜 四拾参 ラッコを捕る人 1 「今晩は。」 親切さうな大人の聲が、 二人のうしろで聞えました。 橙の二輪車が描かれた服を着て、 白い布でつつんだ荷物を、 二つに分けて肩にかけた人でした。 ジロバンニは、 なにか
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 43_ラッコを捕る人_(506文字) 続きを読む »
銀鯖道の夜 四拾弐 南十字路とタキビシン海岸15 シギパネルラは、 窓から外をのぞきながら、 勢よく云ひました。 「ああしまつた。 ぼく、 コスモスを忘れてきた。 COJI-COJIも忘れてきた。 けれど構はない。 もう
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 42_南十字路とタキビシン海岸15_(446文字) 続きを読む »
銀鯖道の夜 四拾壱 南十字路とタキビシン海岸14 二人は、 その白い岩の上を、 一生けん命走りました。 そしてほんたうに、 風のやうに走れたのです。 息も切れず膝もあつくなりませんでした。 こんなにしてかけられるのなら、
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 41_南十字路とタキビシン海岸14_(554文字) 続きを読む »
銀鯖道の夜 四拾 南十字路とタキビシン海岸13 タキビシン海岸のはてのもつと向うからか、 龍の形のぼんやりした狼煙のやうなものが、 きれいな桔梗いろのそらにうちあげられるのでした。 じつにそのすきとほつた綺麗な風は、 苹
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 40_南十字路とタキビシン海岸13_(444文字) 続きを読む »
銀鯖道の夜 三十九 南十字路とタキビシン海岸12 「もう時間だよ。行かう。」 シギパネルラが地圖と腕時計とをくらべながら云ひました。 「ああ、では失禮いたします。」 ジロバンニは、 ていねいにマーチャンたちにおじぎしまし
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 39_南十字路とタキビシン海岸12_(752文字) 続きを読む »
銀鯖道の夜 三十八 南十字路とタキビシン海岸11 ジロバンニとシギパネルラは、 青白い光を出す鋼玉を持ちながら、 またさつきの方へ近よつて行きました。 左手の渚には、 波がやさしい稻妻のやうに燃えて寄せ、 右手の崖には、
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 38_南十字路とタキビシン海岸11_(756文字) 続きを読む »
銀鯖道の夜 三十七 南十字路とタキビシン海岸10 櫻のいつぱいに生えている向うに、 白い岩が、 まるでエツクスのやうに平らに浜に沿つて出てゐるのでした。 「行つてみよう。」 ジロバンニは、 そつちの方へ走りました。 その
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 37_南十字路とタキビシン海岸10_(610文字) 続きを読む »
銀鯖道の夜 三十六 南十字路とタキビシン海岸9 河原の礫は、 みんなすきとほつて、 たしかに水晶や黄玉や、 またくしやくしやの皺曲をあらはしたのや、 また稜から霧のやうな青白い光を出す鋼玉やらでした。 ジロバンニは、 走
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 36_南十字路とタキビシン海岸9_(520文字) 続きを読む »
銀鯖道の夜 三十五 南十字路とタキビシン海岸8 ジロバンニとシギパネルラは、 タキビシン海岸といふ停車場の前の、 水晶細工のやうに見える櫻の木に圍まれた小さな砂浜に出ました。 シギパネルラは、 そのきれいな砂を一つまみ、
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 35_南十字路とタキビシン海岸8_(872文字) 続きを読む »
銀鯖道の夜 三十四 南十字路とタキビシン海岸7 二人は一度にはねあがつてドアを飛び出しました。 タキビシン海岸と書かれた停車場の向うには、 まつすぐに銀河の光が海の上へ通つてゐました。 まつくらな海の上に龍が星あかりに照
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 34_南十字路とタキビシン海岸7_(682文字) 続きを読む »
銀鯖道の夜 三十三 南十字路とタキビシン海岸6 二人は胸いつぱいのかなしみに似た新らしい氣持ちを、 何氣なくちがつた言葉で、 そつと話し合つたのです。 「もうぢき海岸の停車場だねえ。」 「ああ、十一時三八分には着くんだよ
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 33_南十字路とタキビシン海岸6_(449文字) 続きを読む »
銀鯖道の夜 三十二 南十字路とタキビシン海岸5 それもほんのちよつとの間、 キヤラバンは、 ハマヒルガオの列でさへぎられ、 アルテミスの島は、 二度ばかりうしろの方に見えましたが、 ぢきもうずうつと遠く小さく繪のやうにな
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 32_(610文字) 続きを読む »
銀鯖道の夜 三十一 南十字路とタキビシン海岸4 檀那の移したちは、 だんだんうしろの方へうつつて行きました。 向う岸も、 青じろくぽうつと光つてけむり、 時々、 草花が風にひるがへるらしく、 さつとそれぞれのいろがけ
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 31_南十字路とタキビシン海岸4_(504文字) 続きを読む »