銀鯖道の夜
ラッコを捕る人 7
なあに、
みんなまつ黒にかたまつているのですから仕方ありませんや、
わたしあ、
べらぼうめ、
そんな苦情はおれのとこへ持つて來たつて仕方がねえや、
おめえらの大將へやれつて、
斯う云つてやりましたがね、はつは。」
ウガヤフキアエズから、
ぱつとあかりが射して來ました。
「さうさう、ここで降りなけあ。」
と云ひながら、
立つて荷物をとつたと思ふと、
ラツコ捕りはもう見えなくなつてゐました。
【解説】
わたしあ=私は
べらぼうめ=愚かしい
大將=大将。この場合はNSA支部長
斯う云つて=こう言って
ウガヤフキアエズ=玉崎神社の祭神、神武天皇の父
立つて荷物をとつたと思ふと=立って、荷物をとったと思うと
前号からのサーフボードの長さに際しての苦情のことであり、
さらに新地であるウガヤフキアエズが登場しました。
これは南側のたまさき神社のことだとわかっている。
ラッコ捕りが去り、
また二人だけになった主人公たちは、
聖地への参道を進んでいることがわかる。
(50へ続きます)
文責:華厳旭 D.G.P.
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