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【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 34_南十字路とタキビシン海岸7_(682文字)

銀鯖道の夜 三十四

南十字路とタキビシン海岸7

二人は一度にはねあがつてドアを飛び出しました。
タキビシン海岸と書かれた停車場の向うには、
まつすぐに銀河の光が海の上へ通つてゐました。
まつくらな海の上に龍が星あかりに照らしだされてあつたのです。

ジロバンニは、
さつき太東岬で見た浪のやうだとも思ひました。  
マーチャンがいました。
「ジロちゃんどうしたの?」
マーチャンはジロバンニだけにそう聞きました。
ジロバンニは云ひました。
マーチャンは何を釣っているのですか?
ああ檀那を釣っているのだけど、
ほんたうの檀那はいないねえ。
びくのなかを見ますと、
たくさんの魚がいましたがそれは巨きな川鱸でした。

【解説】

海の上へ通つてゐました=海の上に浮かんでいました
照らしだされてあつたのです=照らしだされていました
浪のやうだとも思ひました=波のようだとも思いました
巨きな川鱸=大きなカワスズキ(ブラックバス)

このエピソードの題名にある「南十字路」は、

現在も太東海岸から上がってきたところに存在している。

だが十字路ではなく、

ナナメに交差する道が玉﨑神社(中原)に向けてつけられている。

文中にあるように、

ジロバンニは海(堰)の上に龍が浮かんでいるのを目撃した。

これにはどんな意味があるのだろうかと、

地図と星図を重ね、

南十字路とタキビ神海岸の停車場を結んでみると、

玉﨑神社を通って天極[*]に到達した。

これらのことを総合すると、

この物語にある南十字路は、

クラックス(Crux、核心)だと予想できる。

[*] 天極。タキビパレスのことだと推察されている。

(35へ続きます)

文責:華厳旭 D.G.P.

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