銀鯖道の夜
ラッコを捕る人 6
「も少しおあがりなさい。」
ラツコ捕りがまた包みを出しました。
ジロバンニは、
もつとたべたかつたのですけれども、
「ええ、ありがたう。」
と云つて遠慮しましたら、
「一昨日のころなんか、
なぜサーフボードの大きさを規則させるかつて、
あつちからもこつちからも故障が來ました」
ラツコ捕りは、
さう云いながらこつちに向き直りました。
【解説】
ラツコ=ラッコのこと。ここではアシュヴィン双神の別名だとされている
包み=ラッコではなくチョコレート
故障が來ました=苦情が来ました
サーフボードの大きさを規制するというのは、
物語が書かれた時代ではなく、
まさに現代のことだ。
当時はデューク・カハナモク王朝だったので、
乗るボードには別け隔ては一切なく、
これはマルチバースによる示唆だとわかる。
(49へ続きます)
文責:華厳旭 D.G.P.
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