銀鯖道の夜 ジロバンニの切符6 すると、 ラツコ捕りが横からちらつとそれを見てあわてたやうに云ひました。 「おや、こいつは大したもんですぜ。 こいつはもう、 ほんたうの天上へさへ行ける切符だ。 天上どこぢやない、 どこで…
【サーフィン研究所:連載】銀鯖道の夜 59_ジロバンニの切符6_(1206文字)

銀鯖道の夜 ジロバンニの切符6 すると、 ラツコ捕りが横からちらつとそれを見てあわてたやうに云ひました。 「おや、こいつは大したもんですぜ。 こいつはもう、 ほんたうの天上へさへ行ける切符だ。 天上どこぢやない、 どこで…
銀鯖道の夜 ジロバンニの切符5 「これは三次空間の方からお持ちになつたのですか。」 車掌がたづねました。 「何だかわかりません。」 もう大丈夫だと安心しながらジロバンニは、 そつちを見あげてくつくつ笑ひました。 「よろし…
銀鯖道の夜 ジロバンニの切符4 車掌はちよつと見て、 すぐ眼をそらして (あなた方のは?) といふやうに、 指をうごかしながら、 手をジロバンニたちの方へ出しました。 「さあ。」 ジロバンニは困つて、 もぢもぢしてゐまし…
銀鯖道の夜 ジロバンニの切符3 「あれは、 波の高さをはかる器械です。」 ラツコ捕りが云ひかけたとき、 「切符を拜見いたします。」 帽子をかぶつたもうひとりのラツコ捕りが、 いつか三人の席の横に、 まつすぐに立つてゐて云…
銀鯖道の夜 ジロバンニの切符2 青寶玉と黄玉の大きな二つのすきとほつた球は浪となり、 それがまただんだん横へ外れて、 向うへめぐり、 黄いろのはこつちへ進み、 青い小さいのが重なり合つて、 緑の中心と黄いろな明るい環がで…